この記事ではauじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローンの商品性について様々な観点で比較しています。

 

特にauじぶん銀行の住宅ローンとソニー銀行の住宅ローンは疾病保障のサービス内容が似ていますので、本当に同じなのか、疾病保障サービスの違いにはしっかりと着目して比較しています。しっかりと比較するとわかるのですが、この2つの住宅ローン、疾病保障サービスは似ていますが、それ以外の商品性はそれほど似ている住宅ローンではありません。

 

この記事では2つの住宅ローンの違いを明確に把握できるように2つの住宅ローンの商品性全体についても合わせて比較していきたいと思います。

 

2019年2月まではソニー銀行とauじぶん銀行の住宅ローンのがん保障サービスはほとんど同じでしたが、auじぶん銀行の住宅ローンに2019年3月からがん50%保障団信に加えて、全疾病保障(全疾病長期入院保障)が無料でセットされるようになったので、無料でついてくる疾病保障サービスだけを比べてauじぶん銀行の疾病保障の方が有利になりました。

※auじぶん銀行のがん50%保障は満50歳までの方が加入可能。

 

一方で、ソニー銀行はがんと診断された時に住宅ローンの残高が0円になる「がん団信100(がん100%保障特約付き団信)」が、わずか年0.1%の金利上乗せで利用できるのはもちろん、ワイド団信利用時の上乗せ金利も低いので、ソニー銀行の住宅ローンの方が有利な条件で借りられるケースもあります。ご自身の借り入れ条件によって違ってきますので、必ず公式サイトのシミュレーションツールで、どちらの条件が良いか、また、総返済額の違いを正確に確認しておくようにしてください。

 

ソニー銀行の住宅ローンについて

ソニー銀行は日本で初めて住宅ローンを取り扱ったインターネット銀行です。「保証料無料」「一部繰上返済手数料無料」「いつでも金利タイプを変更できるサービス」「来店不要でネットと郵送で契約完結」「5年ルールや125%ルールの撤廃」など、住宅ローン業界の常識を打ち破る商品性でネット銀行の住宅ローンの中心的存在として約20年営業を続けています。

 

ソニー銀行の住宅ローンは2023年7月に融資累計額が5兆円を突破しており、オリコンの顧客満足度調査での何年も連続で1位を獲得してます。

4年~5年前からauじぶん銀行などの新しいネット銀行が住宅ローンに力を入れはじめたころ、一時的に存在感が薄まっていた時期がありました。この数年は再び住宅ローンの金利設定やサービス内容を改善し、ネット住宅ローンだけでなく全ての住宅ローンの中での存在感が増しています。

ソニー銀行の住宅ローン

 

ソニー銀行の住宅ローンの弱み

これまで、当サイトではたくさんの住宅ローンを比較してきましたが、ソニー銀行の住宅ローンを他のネット銀行と比べた時の弱点だったのは「疾病保障サービス」でした。

 

auじぶん銀行は”がんと診断されるだけで住宅ローンの残高が半分になる”がん50%保障団信”を、SBI新生銀行は”全て病気やケガなどの理由を問わず所定の介護状態になった時に住宅ローンの残高が0円になる介護保障(安心パック)”が無料でセットされている住宅ローンを提供。費用負担なく将来の病気やケガに備えることができる住宅ローンを何年も前から提供しています。

 

ソニー銀行の住宅ローンも他のネット銀行と同水準の低金利で金利面では従来から互角でしたが、疾病保障サービスには特徴がありませんでしたが、2018年8月に費用負担なしで住宅ローンの返済中にがんと診断されたら住宅ローンの残高が半分になる特約をセットしたことで、疾病保障のサービス面の差分の弱みはなくなっています。

 

auじぶん銀行の住宅ローンについて

auじぶん銀行の住宅ローンは「保証料無料※」「一部繰上返済手数料無料」「来店不要」などソニー銀行などのネット銀行がこれまで開発・提供してきた住宅ローンの優れた面を引き継ぎながら「無料のがん50%保障」、「ネット完結(郵送不要)」、「審査の高速化」などを付け加え、最新の商品性の住宅ローンを提供しています。

※ 審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途発生する保証料はありません。

 

auじぶん銀行の住宅ローンの弱み

auじぶん銀行はかなり優れた商品を開発して、住宅ローンの融資実績で先行する住信SBIネット銀行を猛追していますが、当サイトでは、auじぶん銀行の住宅ローンには大きく3つの弱点があると思います。1つは長期固定金利の住宅ローンの金利の高さです。2つ目は当初固定金利タイプの住宅ローンの当初期間終了後の金利の高さ最後の1つは事務手数料の高さ(べらぼうに高いわけではなく、他のネット銀行や低金利のメガバンクの住宅ローンと同じ水準の事務手数料)です。

 

逆にこの3つの弱みを強みとしている住宅ローンがソニー銀行の住宅ローンです。

 

それでは、新しくなったソニー銀行の住宅ローンとauじぶん銀行の住宅ローンの違いをあらためて比較していきましょう。

 

auじぶん銀行の住宅ローンとソニー銀行の住宅ローン比較表

ソニー銀行では、借り入れ・借り換え費用を徹底的に抑えた「住宅ローン」と変動金利の低金利にこだわった「変動セレクト住宅ローン」を提供しています。

 

 

ソニー銀行の住宅ローン

(がん50%保障特約付き団信)

ソニー銀行の変動セレクト住宅ローン

ソニー銀行の固定セレクト住宅ローン

(がん50%保障特約付き団信)

auじぶん銀行の住宅ローン

(がん50%保障団信)

金利 最新金利はこちら 最新金利はこちら最新金利はこちら
自己資金有無により適用金利の違いなし(2023年11月1日からのお借り入れ分について、新規購入での物件の購入価格を超えてお借り入れの場合は、金利が年0.05%上乗せになります)あり
事務手数料(税込)

44,000円(税込)

借入額の2.20%(税込)借入額の2.20%(税込)
保証料0円0円(審査の結果、保証会社を利用する場合は、保証料相当額を上乗せした金利が設定されますが、別途発生する保証料はありません。)
団信保険料0円0円
一部繰上返済手数料(税込)0円0円
疾病保障

がん団信50、がん団信100、3大疾病団信、生活習慣病団信

がん50%保障、4疾病保障(心筋梗塞、脳卒中、肝疾患、腎疾患)、全疾病長期入院保障特約付き団信※

がん疾病保障利用時年齢

借入時:満50歳まで

完済時:満80歳まで

借入時:満50歳まで

完済時:満80歳まで

年収

400万円以上

200万円以上

雇用形態

派遣社員・契約社員不可

派遣社員・契約社員でも借り入れ可能

中古住宅

マンション・戸建て

マンション・戸建て

諸費用を含む借り入れ

可能

可能

リフォーム資金を含む借り入れ

可能

借り換え時にリフォームローンを住宅ローンに集約することは可能

ワイド団信

年0.2%の金利上乗せ

年0.3%の金利上乗せ

ペアローン

取り扱いあり

取り扱いあり

収入合算

不可

取り扱いあり

125%ルール

なし

あり

5年ルール

なし

あり

変動金利の金利の指標

東京銀行間取引金利

様々な市場金利

金利タイプの変更

自由に金利タイプを変更可能

変動→固定のみ可能

※満50歳までの方が加入可能。

 

がんに対する備えに関しては互角ですが、auじぶん銀行の住宅ローンには全疾病保障も無料でセットされるのが大きな特徴です。続けて特に意識しておきたいポイントを1つずつ解説していきたいと思います。

 

auじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローン金利比較の注意点

相対的に整理すると以下のようになります。

  • 借り換えの人・・・諸費用を抑えたい人はソニー銀行。金利の低さにこだわりたい人はauじぶん銀行が有利
  • がん100%団信を利用したい人・・・auじぶん銀行が有利なケースが多い
  • ワイド団信を利用したい人・・・ソニー銀行が有利なケースが多い

 

当初引き下げプランと通期引き下げプラン

「当初5年固定」「当初10年固定」のように「住宅ローンの借り入れ・借り換えから〇年の金利を固定する」という金利タイプを選ぶときに注意して欲しいのが、当初期間終了後の金利です。

 

当初引き下げプランは借り入れ当初の金利が低い代わりに、固定期間が終了すると適用される金利が高くなります。通期引き下げプランは、当初引き下げプランと比較すると借り入れ当初の金利が高い代わりに当初期間が終了した後の金利も相対的に低くなります。

 

ソニー銀行では2018年10月から「固定セレクト住宅ローン」と言う名前の新商品の提供を開始しています。この新商品はいわゆる「当初期間引き下げプラン」となっていますのでauじぶん銀行の当初期間引下げプランと比較する場合は「固定セレクト住宅ローン」とで比較するようにしましょう。

 

ただし、10年経過後の金利は「ソニー銀行の住宅ローン」の方がかなり魅力的なので、10年固定金利を利用するのであれば、「ソニー銀行の通常の住宅ローン」をチェックすることをおすすめします。

 

変動金利の金利比較

ソニー銀行で変動金利での借り入れる場合のおすすめは低金利な変動金利に特化した「変動セレクト住宅ローン」がおすすめです。

変動セレクト住宅ローンとauじぶん銀行の住宅ローンは、事務手数料(融資金額×税込2.20%)の水準も同じなので、基本的には金利で比較することで問題ありません。

 

ソニー銀行の住宅ローンにがん50%保障特約付き団信が付帯されたことで、商品スペックの面では甲乙つけがたい状況ですが、ソニー銀行の変動金利は2024年8月から年0.2%の引き上げが実施されたため、auじぶん銀行と比較するとかなり金利が高くなっています。

 

ここまで拮抗していると、両方申し込んでどちらかに絞りこむのが理想的なのですが、判断材料の1つは先ほども説明した自己資金の有無です。また、もう1つの判断材料として年収制限をあげておきたいと思います。

簡単に言うと年収500万円以上であればソニー銀行、年収200万円~500万円であればauじぶん銀行に申し込むのが無難です。

※ソニー銀行は年収400万円以上が最低条件ですが、安心して申し込める500万円を基準にしています。

 

事務手数料を比較

ソニー銀行では事務手数料が44,000円(税込)で済む通常の住宅ローンと借入金額の2.20%(税込)かかる変動セレクト住宅ローン・固定セレクト住宅ローンの3つを用意しています。

auじぶん銀行は借入金額の2.20%(税込)かかる住宅ローンのみですが、auじぶん銀行の場合「事務手数料」も住宅ローンとして借り入れすることができるというメリットがあります。

 

一方で、自己資金や初期費用を用意できない人で低金利の変動金利を探している人は諸費用も合算して借り入れできるauじぶん銀行の住宅ローンおすすめということになります。

 

借り換えの場合はちょっと複雑ですが、変動金利への借り換えでソニー銀行には借り換えの人の金利を優遇するルールがなくて、全体的に金利が若干高く設定されている一方、auじぶん銀行の変動金利には借り換え用により低めの金利が設定されており魅力的です。

 

がん100%保障を利用する時の注意点

疾病保障を充実させたいという人にとって魅力的なのがauじぶん銀行の住宅ローンであり、ソニー銀行の住宅ローンでもありますす。保障内容に違いはありますが、条件によってどちらが有利かが違うぐらい切磋琢磨しているのがauじぶん銀行とソニー銀行です。いずれも魅力的な住宅ローンなので、どちらを選んでも後悔することはないと思いますが、できるだけご自身の条件にあった方を選ぶようにしましょう。

※がん50%・100%保障団信は満50歳までの方が加入可能。

 

まとめ

auじぶん銀行とソニー銀行の住宅ローンは、どちらも低金利の住宅ローンで、疾病保障サービスも似ているので甲乙つけがたい住宅ローンです。

 

極端な話、どっちの住宅ローンを選んでもちょっとした後悔はあっても、大きく後悔することはないでしょう。なお、直近ではauじぶん銀行が住宅ローン金利優遇割という商品を強化、ソニー銀行では自己資金優遇を廃止し一律の金利を適用するようになった点です。詳しくは公式サイトからご確認ください。

 

どちらの住宅ローンもメガバンクや地方銀行の住宅ローンなどよりは魅力的な住宅ローンだと思いますし数兆円単位での貸し出し実績もあります。

 

既にauのスマホを使っている人であればauじぶん銀行に軍配があがります。そうでない場合、疾病保障の希望など、細かい条件で優劣が変わるぐらい切磋琢磨している状況です。

 

どちらの住宅ローンも日本の住宅ローン業界内の競争から頭1つ抜け出していると言っても過言ではない住宅ローンです。

 

なお、これら2つの住宅ローンの疾病保障サービスはかなり似ていますが、住宅ローン全体の商品性や審査基準は異なっていますので、どちらかの審査に落ちて、どちらかの審査に通る可能性もあります。時間を節約するためにも、選択肢を最初から広げておく意味でも両方に申し込んでおいても良いでしょう。

 

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